今日のmerienda① ~tuteoとvoseo~
Buenas tardes.
最近いかがお過ごしでしょうか。
ここのところ勉強の話ばかりで
皆さんの頭も疲れてきたのでは
ないかと思います。
今回は
文法のお話は
少し置いておいて
ちょっとした
ティータイムにでも
しようかと思います。
と言っても
ただのおやつの時間に
するのじゃあさみしいので、
この時間を使って
ちょっとした雑談を
しようと思います。
これからも息抜きがてら、
こういう時間をちょくちょく
取り入れていこうと思います。
そして今日のテーマは、
「tuteoとvoseo」
です。
あなたはこの二つの言葉を
聞いたことはありましたか?
tuteoとは二人称単数で
"tú" を使う文化のこと。
voseoとは二人称単数で
"vos" を使う文化のことです。
ですから、
私達が学校で習うのは
tuteoなわけです。
なぜなら、
"tú" は
全スペイン語圏で通用する人称
だからです。
対してvoseoは
ごく限られた地域にしか
存在しません。
その地域とは、
我がアナザースカイの
アルゼンチンとウルグアイです。
それ以外の地域でも
使われることはありますが、
主な地域はこのあたりです。
そして、
voseoが使われる文化圏は
その二国の間を流れる
「ラ・プラタ川」
を中心に広がることから、
Español Rioplatense
(ラ・プラタ川のスペイン語)
と呼ばれています。
じゃあ具体的に、
voseoは何が特徴的なの?
っていうのが知りたいですよね。
もちろん、
ただ "tú" の代わりに
"vos" を使うだけでは
ありません。
次の2点のような
文法的特徴
も見られるのです。
1. 動詞の活用が異なる
一番興味深い点は
何と言ってもこれです。
そもそもの
動詞の活用が
tuteoとは異なります。
そして異なる活用をするのは
【現在形】と【命令】
の2つになります。
まずは一般的な
tuteoの活用から
見ていきましょう。
【現在形】
hablas (hablar)
vienes (venir)
pones (poner)
dices (decir)
【命令】
habla
ven
pon
di
ですよね。
では対するvoseoは
どのような活用を
するのでしょう。
【現在形】
hablás
venís
ponés
decís
【命令】
hablá
vení
poné
decí
です。
ものすごい
違和感ですよね!
口に出してみると
その違和感が
より強く感じられます。
アクセントが後ろに下がる
のです。
ではどうやって
その活用を作るの
でしょうか?
ここでvosの活用の
ベースとなるのは
vosotrosの活用です。
vosotros の活用は、
【現在形】
habláis
venís
ponéis
decís
【命令】
hablad
venís
poned
decid
でしたね。
(vosotrosなんか使わないから
忘れちゃってました)
ここからどうやって
vosの活用を
作っていくかですが、
まず【現在形】の場合:
-ar動詞と-er動詞では、
-áis や -éis の "i" を取ってしまう
のです。
-ir動詞の場合は、
それがそのままvosの活用
になります。
次に【命令】の場合:
-ar動詞、-er動詞、-ir動詞の全てにおいて、
語末の “d” を取っ払ってしまい、
アクセントだけ残す
のです。
その結果、
語末にアクセント記号が
付いた形になります。
最初はかなりの
気持ち悪さを感じます。
でも
慣れてしまえば
語幹母音変化がないので
非常に楽です。
2. 前置詞格人称代名詞が異なる
これはよくわからない
と思うので解説すると、
前置詞 (a、para、conなど)
の後ろに来る
人称代名詞 (mí、tiなど)
というものがあります。
これが
特異な形を持つ
ということです。
特異と言っても、
ただ "vos" が来るだけ
ですけど jajaja
つまり、
tuteoでは
a ti
para ti
contigo
となるところが、
voseoでは
a vos
para vos
con vos
となるということです。
ただし、
その他の
人称代名詞や所有格では、
tuteoと同じもの
を使います。
例えば、
¿Querés que te saque la foto?
「君の写真撮ってほしい?」
Vení aquí para buscar el tuyo.
「君のやつを探しにおいでよ
(なんかみんなで探してるらしい)」
No sos tan inteligente como tu hermana.
「君はお姉ちゃんほど賢くないね」
などです。
どうでしたでしょうか?
voseoについては
授業で軽く紹介程度に
聞くことはあっても、
その文法事項まで
教わる機会は
なかなかないのでは
ないかと思います。
そういえばこの
"vos"
という言葉、
古くは敬称(現在のusted)
として使われていました。
しかし時間の経過とともに
また、
国をまたいでいくことで
その意味は変遷し
今では親称として
使われています。
これって日本語の
「貴様」
と似ていますよね。
「貴様」
もかつては
目上の人への敬称
として使われていました。
しかし時間とともに
その品格は下がり、
今では親称を超えて
蔑称となっています。
ドラマなんかでよく、
「待て〜!キサマ〜〜!!」
と言っていたり、
今では汚い言葉のように
なってますよね。
そんな点で
日本語とスペイン語って
似たところがあるんだな
と感じたり、
スペイン語の多様性って
おもしろいな
って再認識して
もらえたらうれしいです。
さてっ、
今日のmeriendaはここまで!
¡Chao, chao!